少額減価償却資産の特例とは|中小企業が知っておきたい固定資産の節税制度

柏市周辺で、法人向けの税理士をお探しの方へ。
パソコンや備品などを購入したとき、「これは一括で経費にできるのか」と迷うことがあります。

少額減価償却資産の特例は、中小企業で利用されることが多い制度です。
一定金額未満の減価償却資産について、取得して事業に使い始めた事業年度に全額を損金算入できる場合があります。

この記事では、少額減価償却資産の特例の概要、対象となる資産、適用要件、注意点を整理します。

この記事でわかること

  • 少額減価償却資産の特例の概要
  • 通常の減価償却との違い
  • 対象となる資産の例
  • 適用要件と注意点
  • 節税効果だけで判断しないための考え方

少額減価償却資産の特例とは

少額減価償却資産の特例とは、中小企業者等が一定金額未満の減価償却資産を取得した場合に、その取得価額を取得年度に全額損金算入できる制度です。

令和8年度税制改正を踏まえ、取得価額の基準は「40万円未満」とされ、年間の適用限度額は合計300万円までとされています。
ただし、取得日や事業年度、税制改正の適用時期によって取扱いが変わる可能性があるため、実際の申告時には最新の制度内容を確認することが重要です。

中小企業では、パソコン、モニター、プリンター、事務所備品、業務用ソフトウェアなどを購入した際に検討されることが多い制度です。

通常の減価償却との違い

通常、固定資産は購入した年度に全額を経費にするのではなく、耐用年数に応じて数年に分けて費用化します。

たとえば、業務用のパソコンや備品を購入した場合、通常は減価償却という方法で、毎期少しずつ経費にしていきます。

一方で、少額減価償却資産の特例を適用できる場合には、取得して事業に使い始めた事業年度に全額を損金算入できます。

そのため、利益が出ている年度に設備投資を行った場合、当期の税負担を抑える効果が期待できます。

対象となる資産の例

少額減価償却資産の特例は、事業に使用する減価償却資産が対象です。

たとえば、次のようなものが検討対象になります。

  • パソコン
  • モニター
  • プリンター
  • タブレット
  • スマートフォン
  • 机・椅子などの事務所備品
  • 業務用ソフトウェア
  • 工具・器具備品
  • 店舗や事務所で使用する設備

ただし、事業に使っていないものや、個人的な使用が中心のものは対象になりません。

また、取得価額の判定、付随費用の取扱い、消費税の経理方式などによって金額判定が変わることがあります。

適用要件と注意点

少額減価償却資産の特例は便利な制度ですが、要件を満たしていなければ適用できません。

特に、次の点は確認しておきたいポイントです。

中小企業者等であること

この特例は、青色申告書を提出する中小企業者等を対象とした制度です。

資本金の額、常時使用する従業員数、大法人との関係などによって、対象になるかどうかの判定が必要になります。

事業に使い始めていること

資産を購入しただけではなく、事業の用に供していることが必要です。

決算日までに購入していても、まだ使用していない場合には、その事業年度で損金算入できないことがあります。

年間上限額がある

少額減価償却資産の特例には、1事業年度あたりの合計額に上限があります。

1つずつの資産が基準額未満であっても、年間の合計額が上限を超える場合には、超える部分について特例を適用できません。

申告書への添付が必要

法人でこの特例を適用する場合には、法人税の確定申告書に必要な明細書を添付する必要があります。

会計処理だけでなく、申告書上の手続きまで整えておくことが大切です。

節税効果だけで判断しないことも重要

少額減価償却資産の特例を使うと、購入年度の経費を増やすことができます。

ただし、これは本来数年に分けて経費になるものを、前倒しで経費にする制度です。 長い目で見ると、経費になる総額そのものが増えるわけではありません。

そのため、節税だけを目的に不要なものを購入すると、手元資金が減ってしまいます。

検討するときは、

  • 本当に事業に必要な資産か
  • 今期の利益見込みはどの程度か
  • 納税見込みにどのくらい影響するか
  • 資金繰りに無理がないか
  • 来期以降の経営にも役立つか

といった点を確認することが重要です。

決算前に確認しておきたいこと

決算前に備品や設備の購入を検討する場合は、購入時期だけでなく、事業に使い始める時期も確認しておく必要があります。

また、見積書、請求書、納品書、支払資料などを整理しておくと、申告時の確認がスムーズになります。

高額な備品をまとめて購入する場合や、取得価額の判定が微妙な場合には、事前に税理士へ確認しておくと安心です。

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