法人の節税対策5選|中小企業が検討したい節税方法
柏市周辺で、法人向けの税理士をお探しの方へ。
法人経営では、利益が出たときに「何か節税できることはないか」と考える場面があります。
ただし、節税対策は単に税金を減らすことだけが目的ではありません。
会社に必要な支出か、資金繰りに無理がないか、将来の経営に役立つかを踏まえて検討することが大切です。
この記事では、中小企業・小規模法人で検討されることが多い法人の節税対策を5つに整理して解説します。
この記事でわかること
- 法人の節税対策を考えるときの基本
- 中小企業で検討されることが多い節税方法
- 少額減価償却資産の特例や経営セーフティ共済の概要
- 節税と資金繰りのバランスで注意したいこと
法人の節税対策を考える前に
法人の節税対策を考えるときは、まず「利益がどのくらい出ているのか」を確認する必要があります。
決算直前になってから慌てて支出を増やすと、税金は減っても、会社のお金も減ってしまいます。
そのため、節税対策は次のような視点で検討することが重要です。
- 会社にとって本当に必要な支出か
- 翌期以降の経営にも役立つか
- 資金繰りに無理がないか
- 税務上の要件を満たしているか
- 会計処理や申告書への反映が適切か
節税は「税金を減らすためにお金を使う」ものではなく、会社の将来に必要な支出を、税務上も適切に整理することが基本です。
節税対策① 少額減価償却資産の特例
少額減価償却資産の特例は、中小企業で利用されることが多い節税対策の一つです。
通常、パソコンや備品、機械装置などの固定資産は、耐用年数に応じて数年に分けて経費化します。
しかし、一定の要件を満たす中小企業者等は、取得価額が一定金額未満の減価償却資産について、取得して事業に使い始めた事業年度に全額を損金算入できる場合があります。
たとえば、次のような支出で検討されることがあります。
- パソコン
- モニター
- プリンター
- タブレット
- 業務用ソフトウェア
- 事務所備品
ただし、年間の上限額や青色申告、申告書への明細添付などの要件があります。 購入すれば必ず全額経費になる、というものではないため注意が必要です。
節税対策② 経営セーフティ共済
経営セーフティ共済は、正式には「中小企業倒産防止共済」といいます。
取引先の倒産などに備える制度ですが、掛金を損金算入できることから、利益が出ている法人の節税対策として検討されることがあります。
掛金は月額で設定でき、一定の範囲内で前納することも可能です。 将来、解約した場合には解約手当金を受け取ることになりますが、その際には収益として課税対象になる点にも注意が必要です。
経営セーフティ共済は、節税効果だけでなく、資金繰りや将来の出口まで含めて検討する制度です。
節税対策③ 出張旅費規程
出張がある法人では、出張旅費規程を整備することで、旅費交通費や日当の取扱いを整理できる場合があります。
出張旅費規程を作成しておくと、役員や従業員が出張した際の交通費、宿泊費、日当などについて、社内ルールに基づいて精算しやすくなります。
ただし、規程を作ればどのような金額でも認められるわけではありません。 出張の実態、支給対象、金額の妥当性、精算方法などを整理しておくことが重要です。
特に役員のみの法人では、実態と金額のバランスを慎重に確認する必要があります。
節税対策④ 役員退職金
役員退職金は、社長の退任や事業承継のタイミングで検討される重要なテーマです。
適正な役員退職金は、法人側では損金算入の対象となり、受け取る役員側でも退職所得として取り扱われるため、税務上のメリットが出ることがあります。
一方で、役員退職金は金額が大きくなりやすく、税務上も慎重な検討が必要です。
- 退職の事実があるか
- 退職金の金額が過大ではないか
- 株主総会議事録などの手続きが整っているか
- 支給時期や資金繰りに無理がないか
役員退職金は、決算直前に慌てて考えるよりも、数年前から準備しておく方が安心です。
節税対策⑤ 短期前払費用
短期前払費用は、一定の契約に基づいて継続的にサービスを受ける費用を、1年以内の期間分まとめて支払った場合に検討される取扱いです。
たとえば、家賃、保険料、サーバー利用料、保守料などで検討されることがあります。
ただし、短期前払費用は何でも前払いすれば損金になるわけではありません。 継続的な役務提供であること、支払日から1年以内にサービス提供を受けること、毎期継続して同じ処理をすることなど、実務上の注意点があります。
また、売上に直接対応する原価的なものや、期間対応が特に重要な費用については、慎重な判断が必要です。
節税は資金繰りとのバランスが重要
節税対策を行うと、法人税等の負担を抑えられる場合があります。
しかし、多くの節税対策は、何らかの支出を伴います。 税金は減っても、それ以上に手元資金が減ってしまうと、会社経営にはマイナスになることもあります。
そのため、節税対策を検討するときは、次のような順番で考えることをおすすめします。
- 今期の利益見込みを確認する
- 納税見込みを把握する
- 必要な支出と不要な支出を分ける
- 資金繰りに無理がないか確認する
- 税務上の要件を確認する
節税は、会社のお金を守るための手段です。 「税金を減らすこと」だけが目的にならないようにすることが大切です。